風評被害とその対策についてわかりやすく解説!風評被害対策業者もご紹介

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実際に被害に遭って手遅れになる前に!やっておくべき風評被害対策とは?

風評被害対策①

風評被害という言葉自体は知っていても、具体的にどのような事態を指すかわからない方も少なくないのではないでしょうか。

また、風評被害対策をしたくとも、漠然としていて、何から手をつけたら良いかわからないと感じている方もいらっしゃるかと思います。

本記事では、風評被害の概要や具体例、風評被害対策や風評被害対策に定評のある専門業者5選をご紹介します。

本記事を読めば風評被害対策はどこから手をつければ良いか、何がポイントなのかわかります。

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風評被害とは

風評被害とは
風評被害とは、事件や事故、噂などをきっかけに、事実ではない情報が広がり、その結果としてもたらされる何らかの社会的・経済的な被害のことです。

東日本大震災による風評被害は、代表的な事例です。東日本大震災後に起きた事故による福島第一原発からの放射能漏れの問題で、福島県産の農作物全体に疑いの目が向けられるようになりました。確かに福島第一原発事故直後は、福島県産の農作物の一部には放射能が付着しているものもあったでしょう。

今では福島県が国のガイドラインに基づいてモニタリングを行っていたり、農作物の出荷時に放射能検査を組織的に行っていますので、福島県産の農作物であっても出荷されているものについては安全です。

しかし、一部のユーザーは今でも「福島県産」というだけで農作物の購入を躊躇っています。農作物について厳しい検査基準を設け、検査を実施してきていても、いまだに一部のユーザーに対して「危険である」イメージを払拭できていません。結果として福島県の農作物業者は風評被害を受け続けています。

事件や事故に基づくもの

風評被害で一番避け難く、被害も大きくなりがちなのが、事件や事故に基づく風評被害です。先述した東日本大震災時の事例もそうですが、こうした大規模な事件や事故、災害に基づく風評被害は避けようがありません。

事件や事故に基づく風評被害対策は、自社だけで解決できないことが多く、同業他社や行政、社会を巻き込んで対策していくことが求められます。

自社だけでできる風評被害対策としては、自社商品が実際に風評被害とは関係がないことをアピールし続ける広報戦略や、国や行政が設定するガイドラインに基づいて行動することなどがあるでしょう。

しかし、事件や事故に基づく風評被害は風評払拭のための難易度も高いため、自社だけで風評被害対策を実施するのではなく、専門業者に依頼して一緒に対策を練ることをおすすめします。

マスメディアなど影響力あるメディアの発信に基づくもの

風評被害の中には、マスメディアなどの影響力あるメディアで発信された情報に基づくものも存在します。必ずしも誤った情報ではないものの、メディアが発信した意図を誤解してユーザーに受け取られてしまうことで、風評被害を受ける、というものです。

また、事実を報道しているのにもかかわらず、ユーザー側がその事実に強い印象を受けることで、以前からある風評被害がさらに強まる、といったこともあります。

典型的な事例として挙げられるのは、2020年から始まったコロナ禍において、病院が受けた風評被害です。連日のコロナウイルス被害のマスメディアの報道によってコロナウイルスを恐れるユーザーの一部が、コロナウイルス患者を受け入れる病院を避けるようになりました。今まで定期検診などで利用していた患者の多数が通院をやめてしまい、多くの病院が経済的に被害を受けたようです。

こういったケースも、風評被害対策を自社のみで講じることは非常に困難です。風評被害対策を行うためには、専門家や行政を巻き込んで対策していくことが求められます。

個人のデマに基づくもの

風評被害で最もよくあるのが、個人のデマに基づく風評被害です。ソーシャルメディアなどで個人が投稿した虚偽に基づく風評がたちまちにして広がり、多くのユーザーに真実として受け取られることで、被害を受けるケースが多いです。

よく知られている事例としては、「フェイクニュース」の事例があります。ソーシャルメディア上にニュースとして流れたものが、実はデマだったというものです。フェイクニュースが一度広まると、例え虚偽に基づいたものであれ、一気に広まってしまうところが怖い点です。

風評被害対策を行う必要性

風評被害対策の必要性

自社に関連する風評被害は一度広まると甚大な経済被害を及ぼします。

風評被害の広まるパターンとして一番多いソーシャルメディア起点の風評被害について考えてみます。

ソーシャルメディア経由の風評被害でよくあるのが、「炎上」がきっかけとして起こる風評被害です。炎上とは、何かの発言や行動をきっかけに、その発言した人物に対して批判が殺到し、収拾がつかない状態になることです。例外的ではありますが、何もしていなくとも批判が殺到することもあります。

炎上が起こる典型的なルートについてご説明します。まず、企業が行った広報活動(CMなど)や、事業活動などに対する批判・非難がTwitterに投稿されます。すると、その投稿に反応するユーザーが連鎖的に登場し、あっという間に多くのユーザーに拡散。そしてTwitterの「トレンド」欄などに表示されることで一般ユーザーやネットニュース編集者などの目にも届きます。

ネットニュース編集者は、炎上をネットニュースにあっという間に仕立て上げ発信。ネットに無数にある「まとめサイト」にも炎上の経緯がまとめられ、炎上が固定化します。ここまで来れば企業としてはもう、なす術がありません。

このようにして炎上が起こってしまった場合、企業は炎上の熱りがさめるまで、謝罪をした上で静観するしかありません。下手に動いてしまうと火に油を注ぐことにもなりかねません。炎上が収まったとしても、一度炎上してしまったことによる企業イメージの低下は避けられません。

自社に負い目がなかったとしても、「炎上してしまった企業・サービス」として消費者から色眼鏡で見られることになってしまいます。その結果として、株価の減少や、売り上げの減少といったことも連鎖的に起こる可能性があります。

このように、風評被害を放っておくと、自社の商品・サービスが売れなくなり、甚大な経済被害をもたらします。ですから、日頃から風評被害が起こるリスクを考えて行動し、先手を打っておく必要があります。

実際の風評被害例

風評被害事例

実際にあった風評被害の個別事例をご紹介します。

新潟県中越地震の事例

2004年に発生した新潟県中越地震の事例をご紹介します。地震が起こったものの、ライフラインや携帯電話に異常がなかったために、地震における死亡者の情報や被害の状況が全国各地に発信されました。情報が発信されたこと自体は良かったものの、発信された情報を誤解したユーザーによって「観光地である越後湯沢は被災状況がひどい」、という風評が広まりました。

その結果として、越後湯沢の観光施設の予約をキャンセルするユーザーが続出。多くの観光施設が経済的な被害を被りました。観光施設側では、地震の実際後の実際の避難状況についてホームページやメールを通じてユーザーに発信することで事態の収拾を図りました。

この事例のように、事件発祥の風評被害の場合には、風評被害が発生すること自体を防ぐのはほぼ不可能です。ですから、風評が発生した後で、いかに素早く風評を払拭できるか、その体制作りが重要です。

中国産「段ボール入り肉まん事件」の事例

メディアが報道したことによって多くの関連業者が風評被害を受けた事例として、中国産「段ボール入り肉まん事件」の事例があります。「北京の露天商が作っていた肉まんの中に段ボールが入れられていた」と中国のニュースが報道したところ、このニュースを日本のマスメディア一斉に報道。一気に中国産の食品、特に、肉まんのイメージが悪化してしまいました。

しばらくした後で、肉まんに段ボールを入れていたことが「ヤラセだった」という指摘も出てきて、真偽のほどは未だによくわかっていません。しかしこの事件で重要なのは、事実ではなくとも、メディアが報じたニュースによって、報じられた露天商だけではなく、北京や中国の露天商全体のイメージ、ひいては中国産の食品全体のイメージが悪化したことです。

中国だけではなく、こうした事例が日本で起こる可能性も否定できません。もしこのような事件が起こった時にどのように対応するべきか、その対策を考えておく必要があります。

ネットで「ブラック企業だ」と投稿される事例

次は、インターネット掲示板での投稿がきっかけになった風評被害事例です。

匿名で投稿できるインターネット掲示板で、「〇〇はブラック企業だ」という旨の言説が投稿されました。そしてこの投稿をきっかけに、その企業がブラック企業かどうかを争う投稿が次々と投稿されていくことで、炎上状態に突入。収拾がつかなくなりました。最終的には裁判にまで持ち込まれた事例です。

「ブラック企業であるかどうか」というテーマはインターネットで非常に拡散しやすい話題である上に、決着がつきづらいテーマであるため、話題にされたらかなりの高確率で炎上まで行き着いてしまいます。

企業の実態がどうであれ、一度「ブラック企業」というレッテルをインターネット上で貼られてしまうと、イメージを払拭することは難しいです。これも風評被害の代表的な事例と言えるでしょう。イメージ低下による売り上げ低下や株価低迷は避けられません。

風評被害対策方法

風評被害対策方法

風評被害対策にはどのようなものがあるのか、ご紹介します。

専門家への相談

風評被害対策は、どのように対策すべきなのか自社だけで考えるのはとても難しいです。風評被害対策は多岐に渡ります。風評被害を予防するための対策や、実際に被害が起こってからの対策など、さまざまな角度から対策を講じなければなりません。

また、仮に自社で風評被害対策を考えて実施したとしても、炎上している際には自社だけで行動することで裏目に出ることもしばしばあります。そのため、専門家に相談することで風評被害対策をすることが一番おすすめです。

専門家に相談することで、完全に風評被害を防ぐことができるとまではいかなくとも、風評被害対策のために最善を尽くすことができます。

発信・ソーシャルメディアポリシーの策定

事件や事故起点の風評被害であれば防ぎようがありませんが、自社の発信が原因となる風評被害は、普段から気をつけていることである程度まで防ぐことができます。

ソーシャルメディアやWebサイトなど、あらゆる発信の場面で基準となるようなポリシーを策定しておきましょう。一度策定したポリシーに則って発信していれば、よほどのことがない限り炎上することもないでしょう。もし炎上したとしても、ポリシーを作っておけば自社に落ち度がない状態を作ることができます。

従業員の教育

普段からの従業員の教育も風評被害対策として非常に重要です。従業員としていかに行動すべきか、ソーシャルメディアなどの使い方はどのようにすべきかなど、炎上につながるような行動を従業員が取らないよう、従業員を教育しましょう。

一時的に教育するのではなく、定期的に従業員に考えさせる機会を設け、啓蒙し続けることが重要です。

モニタリング体制の整備

風評被害対策としては、モニタリング体制を整備することも重要です。風評被害が起こらないよう、自社の発信活動について継続的にチェックしていく体制を整備し、実際にチェックを行なっていくことで、風評被害が起こりそうな発信を潰していきます。また、自社の従業員や関係者が不用意な行動や発言をしないようチェックしていくことも重要です。

風評被害が起こってしまった場合にも、モニタリング体制が整備できていれば被害が広がることを防ぐこともできます。

風評被害発生後のガイドライン策定

風評被害が起こってしまった後にどのように行動すべきかを定めたガイドラインを策定しましょう。あらかじめガイドラインを策定しておくことで、実際に風評被害が発生してしまった時にも慌てずに行動し、被害を最小限に食い止めることが可能です。

ただし、風評被害発生後にどのようなことが起こるか、気にすべきか、といったことを自社だけで考えるのは非常に困難なので、専門家の協力を得ながらガイドラインを策定することをおすすめします。

風評被害対策専門業者5選

風評被害対策業者

風評被害対策が実施できる業者を5社ご紹介します。

株式会社フリースクエア

株式会社フリースクエアは、主にWebマーケティング事業を展開している会社です。

同社の「風評監視事業」では、「口コミ・評判チェッカー」と呼ばれるツールを用いて、Twitterや5ちゃんねる、Googleなどの風評被害の発火点となりうるサイトを24時間体制で監視し、早い段階で炎上の種を見つけることができます。

また、すでに風評被害が広まってしまっている場合の対策として「逆SEO事業」も展開しています。逆SEO事業とは、ネガティブな風評に関するキーワードやサイトがGoogleなどの検索エンジンで上位表示されている場合、それらを下位に表示させたり、非表示にさせるサービスです。

株式会社エストリンクス

株式会社エストリンクスは、SEO記事の製作などのWebプロモーション事業を展開している会社です。株式会社エストリンクスは、風評被害対策として「サジェスト事業」を展開しています。サジェストとは、Googleなどの検索エンジンでキーワードを入れて検索した時に、下の方に出てくるキーワード群のことです。

自社や自社商品に関するキーワードを入れた時に、一緒に出てくるキーワードが誹謗中傷のようなものであれば、自社の信用が失われていきます。同社のサジェスト事業を利用すれば、そうした危険性のあるサジェストキーワードを削除することができます。

弁護士法人アークレスト法律事務所

弁護士法人アークレスト法律事務所は、ネット誹謗中傷対策を得意とする法律事務所です。アークレスト法律事務所では、名誉毀損などに当たるネットの投稿を削除するサービスを展開しています。弁護士事務所が提供しているサービスなので、着実に投稿を削除してもらえる点が魅力です。

また、風評被害の発端となった投稿をした人物に対する損害賠償請求や刑事告訴の依頼もできます。

イー・ガーディアン株式会社

AIソリューション事業などを展開するイー・ガーディアン株式会社は、サイバーセキュリティに強みを持つ会社です。その強みを生かして風評被害対策事業も展開しています。

AIと人間のオペレーターによる監視を行うことで、精度の高い監視活動を実現。それだけでなく、社員教育や社内のソーシャルメディアポリシー策定にも対応してくれるので、風評被害対策をトータルにコーディネートしてもらうことができます。

株式会社クローバー・ネットワーク・コム

株式会社クローバー・ネットワーク・コムは、与信情報管理や顧客データクリーニングに強みを持つ会社です。風評被害対策として「サイバーパトロール」事業を展開しています。

AIと人間による風評調査や、自社従業員の投稿監視などだけではなく、取引先に関する風評調査も実施可能です。

まとめ

風評被害とは、事実とは異なる風評が広まることにより、経済的・社会的にもたらされる被害です。自社に落ちどころがなくても、風評被害は起こり得ます。

だからこそ、前もって風評被害対策を講じておくことが重要です。本記事でご紹介した風評被害対策をぜひ実施してみてください。

創業手帳(冊子版)は、起業時に役に立つさまざまな情報が掲載されています。風評被害対策以外にも起業家が知っておくべき情報が盛りだくさんなので、ぜひお手に取ってみてください。
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(編集:創業手帳編集部)

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